4月初め

松本竣介 街と人 大山崎山荘美術館

 

「東洋に於いては

芸術家の最高の悟りの境地を

童心に置いて居た。

時代のもつ表面的な動きに

動ずる事なしに

純粋なる生命の姿を創造するところに

東洋の精神があるのであって、

ここに芸術の真実性があるものと信じる。」

ーー生命の芸術 第2巻

 

この言葉は彼の制作姿勢そのものと感じた。

 

人は信じたいものを信じているにすぎない。

沢山の揺らぎの中で、自分のなかに残り燃ゆるもの。

 

彼のように

描きたくて描き続けた、

そして

描きたくても続けられなかった、

数知れない絵描きのことを思った。

 

私は急ぎすぎているかなぁと思った

 

✴︎

 

美術館を後にして、パワフルな女性お二人とそれぞれのお店で話をする。

どんなかたちであれ、絵の話ができることがありがたい。

生きたいように生きているだけのこと、そのように窺えた。

先程の、私は急ぎすぎているのかもという思いは彼方へ、むしろもっと急がねば力強く、という喝を入れていただいた心地。

 

足を運んで会いに行く、顔をみて話すことの大切さ。人の根源と感じた。

そこで本音を話せる私でありたい。