花 立ち上がり
今の町に越してきて好きになった水仙。
嘘みたいにあちこちに咲きます。
それまでしっかり見たことがなかったな。
この辺りは地植えの植物が季節を教えてくれる。
今は何と言っても金木犀。
レインリリーは閉じ、山葡萄の実が膨らみはじめています。
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リヒターの映画を観て、フォトペインティングのシリーズ、それらに説得力が宿る理由が分かった気がした。
ボイスに、スタイル模倣の作品群を、これは君じゃないと言われ、自分に深く根ざしているもの、自分の根にある忘れられないもの、頭から離れないものを、ふとした拍子になんの狙いもなくただ素直に描いてみたのだと思う。リアリティや個性の無さが、リヒターにとっては切っても切り離せないリアリティなんだと分かった。
幼い頃から東ドイツの共産主義体制へ閉塞的窮屈感や抵抗を感じつつも、耐えながらしか生きられなかったから、西での解放のされ方が、控えめで戸惑いや影があり、何というか写真の模写というスタイルに行き着いたこと、説得力しかない。
いい作品には必ず作者の根源が現れているんだ。