模写:John Constable “ハムステッドの雲の習作 Study of Clouds at Hampstead” 1821 (reproduction)
二点とも紙に不透明水彩
模写じゃないと動かさない筆の動き、どこまでも。
コンスタブルの習作はタブローにはない鮮度や素直さが迸っており、私はこの巨匠の雲の習作群がどうしても好きです。
同じ絵を二枚模写したのは、図版によって色味が全く違ったので、最初に惹かれた紫系のと、1986年のコンスタブル展の図録のインディゴ系の、二枚を描いた。1986年の図録はどの図版も色の調子が似ているので、当時のプリント技術によるものなのかもしれない。いつか生を見てみたい。
下地に赤茶色を感じたので、ペリレンマルーンとレッドオキサイドを混ぜて仕込んでから描きました。私は一枚をいつまでも触る癖があり、しかしこれはコンスタブルもサラッと描いてるようにみえたので、サラッと終えることを意識しました。
紫(上)の方は、左上の雲の逆光の感じがようやく出てきて嬉しいです。インディゴ(下)も、下地の色を生かせて、またこの絶妙な色合い、面白さに満足しています。(共に右下の丘の描写は割愛。)
コンスタブルの筆さばきは本当に気持ちいいです。他にもさまざまな雲を模写したのでまた紹介しますね。
模写や写生スケッチはあらかじめ使うであろう色を把握できるので本当に描きやすいです。普段の制作と比較すると悩みが殆ど無いに等しく、今悩んでいて筆が進んでない絵がどんどん追い越されていきます。そのうちに答えが見つかると気楽に思っておこう。大丈夫。今日もとなえます。
不透明を描けば描くほどに、透明との違い、それぞれの良さ、自分の実感として言葉になっている。そのこともまた書き留めたいと思います。