行きつけの石

「行きつけの石」スケッチ

 

絵話塾の授業、私は「読むので思う 荒川洋治著」の中の一つ、” 行きつけの石 “を描きました。

タイトルに惹きつけられた。通い慣れた道、駅のホーム、景色。その中に、その外に、行きつけがある。行きつけは、とっておきとも言える。普通は、お店とかのことを指すけれど、石とは。描いてみたいと思いました。

 

今年3月に開催した個展で、一番最後に描いた絵に、今私が求めているそのままを描きました。ふとした隙間の時間にイメージは一気に固まって、具体的なモチーフや描写のないままに、でも描きたくて描きました。すごく楽しかった。めちゃくちゃいい絵になった。その絵が、セピアの下地を生かした絵でした。私、今、全面にえがくことをどんどん進めているけれど、同時に下地の美しさにも惹かれていて、でもそうなると描写が少なくなって画面が弱くなる気がして、最近はそういう描き方をしていなかったのですが、やっぱり好きだと思いました。両方ともに。

そのような葛藤から、今回の授業「セピアの上から描く」というテーマで下地の面白さを伝えたいと思いました。それが今一番自分がやりたいことだと思いました。

一般的に透明水彩はそのフレッシュさ、紙の白場を生かす描き方が王道(基礎として)ですが、それは本当に美しいですか?本当に心に響いてきますか?自分に刺さりますか?

その問いかけの繰り返しだと思います。繰り返すことで、自分だけの絵、手法がいつのまにか現れてくるのですね。

皆一人一人のやわらかな情熱、誰とも何とも比べないで、描いていってほしい。私も、目の前の絵、一枚ずつ、描いていきたい。

スケッチで満足してしまい、本番は構図を変えて描きました。

うふふ、その続きを改めて描くよ。